Flon News 2023年7月号を発行いたしました。

いよいよ私の大好きな夏がやってきました!昨年までは憎きコロナの影響で楽しみも半減以下でしたが、今年は全国的に花火大会や夏祭りなど、夏ならではのイベントが復活しますし、弊社近くで行われる「天神祭」も復活したりと…イベント盛り沢山!大いに楽しみです♪ 夏バテと熱中症に気を付けて、久しぶりの楽しい夏を過ごしていきたいと思います!
さて本号では、最近フッ素業界内で特に懸念されている「PFAS」について簡単にまとめます。
皆様のお役に立てていただけると幸いです。

今月のContents

  • PFAS に関するあれこれ
    PFAS って何?/心配しないで/日本国内での取り組み
  • FLON LINE フロンケミカル総合カタログ NR60000版 価格・仕様訂正表/2023年7月1日適用分

PFAS に関するあれこれ

PFASって何?

現在、フライパンのコーティングなど日常生活にも密接に関わっている『フッ素樹脂』。昨今そのフッ素樹脂が「将来的に使用出来なくなるのでは…!?」と、心配される事態に見舞われております。
2023年、欧州の化学物質管理規制である『REACH 規則』において、有機フッ素化合物(PFAS※)を規制する案が提出され、正式に公表されました。

※ PFAS…人工的な有機フッ素化合物の総称。その数は4200種類以上あり、
 PTFEやPFA 等すべてのフッ素樹脂についてもPFASに分類されます。

PFAS は「フォーエバーケミカル=永遠の化学物質」と呼ばれ、ほとんど分解されることなく体内や自然界に蓄積されます。そして、高濃度のPFASは人体に有害な可能性があるとして、2009年以降段階的に国際条約で製造・使用が禁止されるようになっており、アメリカ環境保護庁(EPA)は、「特定のレベルのPFASは様々な健康影響を引き起こす可能性がある」と指摘しています。
日本では、米軍基地からの航空機の事故や訓練などにPFASが含まれる泡消火剤が使われてきたことがわかっており、近隣の河川や海に流れていた事が発覚したことが最近報道されました。

心配しないで!

以上の事からフッ素樹脂に対する懸念が高まっており、実際に弊社へもPFAS に関する様々なお問合せをいただきますが、ご心配には及びません!フッ素樹脂は大きくはPFASに分類されるものの、水に溶けることがありませんので環境を汚染したりせず、人の血流に入ったり蓄積したりすることが無い為、健康や環境に重大なリスクとなることはありません。また体内に吸収されることはなく、毒性もありません。
つまり、重大な毒性の懸念が無く、分解して他の有機フッ素化合物(PFAS)にならない事から、OECDの基準を満たす問題ない素材「低懸念ポリマー」なのです!

日本国内での取り組み

名だたるフッ素原材料メーカーが集まり「日本フルオロケミカルプロダクト協議会(FCJ)」を発足。「フッ素樹脂には危険が無い」ということを発信したり、欧州に向けてREACH規制の中から外してもらえるよう、様々な働きかけを行っております。
直近では、各フッ素原材料メーカーがパブコメ(パブリックコメント)を集めFCJへ提出。近々FCJが日本国内でまとめたパブコメをEU 化学庁(ECHA)へ意見書として提出する事になっております。今回、REACH では、“PFASという非常に大きな単位の総称”で法案を決めてしまった為混乱を招いておりますが、フッ素樹脂は半導体・化学・食品・医療から日用品に至るまで、ありとあらゆる産業・製品に使用されている樹脂です。この意見書から現状を考慮して、恐らく大きく優遇措置が取られるようになるのではと注目されています。

〈参考〉
日本フルオロケミカルプロダクト協議会
https://www.cfcpj.jp/fcjabout.html

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